第23章 壁外調査、三日前は
「え?そうなの?結構可愛かったのに?」
エマが不思議そうな顔をすると、
「エマさん何も分かってないなぁ……
俺、意外とモテるんだぜ?」
そう言ってジャンはニヤリと笑う。
「え、いやいや、まさか!」
「今ので3人目だから。」
ジャンは自慢気にエマの肩を叩いた。
「ほ、ほんとに?ジャンが?」
「おい、俺に失礼だろ!」
ジャンは勢いよくツッコミを入れた後、
「まぁ、どれも受け入れるつもりはねぇよ。」
そう言って首元を掻く。
「ジャン、他に好きな人いるの?」
エマが思い付きを口にすると、
「まぁな。」
ジャンはそれだけ言って黙った。
「……ジャンは告白しないの?」
「俺は、いいんだよ。
無理なのわかってるし。」
ジャンはそう言うと無理に笑って見せた。
エマはジャンのその表情を見て、
『これ以上この話をするのは
やめた方がいいのかな……』
と、心の中で考えると、
「それにしても、告白されて断る癖に
抱きしめはするんだね。」
そう言ってジャンをニヤニヤ見た。