第23章 壁外調査、三日前は
エマはゆっくり茂みから抜け出すと、
「ジャンって意外にモテるんだね……」
と、いきなり後ろから声を掛ける。
「うおっ、エマさん!」
ジャンは驚いて大きな声を上げた。
「びっくりしたよ!まさか告白されてたの?」
エマはジャンを小突く。
「……エマさん、いつからいたわけ?」
ジャンはエマの方を振り返ると
ため息を吐き、
「調査に出る前に、
気になる相手に想いを伝えるのは、
ここでは普通のことだからな。」
そう言って頭を掻いた。
「ジャンも青春してるんだね。」
エマはニヤニヤとジャンを見た後、
「まぁそれにしても、ジャン、おめでとう。」
そう言ってジャンの肩をたたいた。
「は?何のおめでとうだよ?」
ジャンは呆れた顔でエマを見る。
「いやいや、
今ので恋人できたってことでしょ?」
エマのその言葉に、
「なんでだよ!
別に付き合うつもりはねぇよ。」
と、突っ込んだ。