第23章 壁外調査、三日前は
壁外調査を3日後に控えた日。
エマは菜園で野菜の調達を終え、
一人帰路に着く。
「あと3日か……」
エマは3日後の事を考えると憂鬱になり、
重い足取りで基地に向かっていた。
すると、近くの公園に人影を見つける。
「ジャンだ。
横にいるのは……女の子?!」
エマは咄嗟に公園近くの茂みに隠れ、
その様子を盗み見る。
さすがに声までは聞こえないが、
調査兵団の団服を着た小柄な女の子が、
ジャンに何か話しているようだった。
少し挙動不審な女の子に、
エマは違和感を覚える。
『ジャンのやつ……
もしかして告白されてる?』
エマはジャンをからかってやろうと、
女の子が立ち去るのを待った。
しばらくすると、
ジャンがその子を軽く抱きしめた後、
女の子は小走りで去って行った。