第22章 キスまでの長い道程
「おい……
このくらいでそんなに赤くなるか?」
唇を離した後、
リヴァイはエマの赤面に少し戸惑う。
「……なりますよ。」
エマはやっとそう言って、
リヴァイから目を逸らした。
「初めてでもないだろうに……」
リヴァイがフッと息を漏らすと、
「初めてに決まってるじゃないですか!」
エマは声を荒げた。
「は?お前、初めてだったのか?」
リヴァイは驚いた表情を見せる。
「いやいやいや!恋したことないのに
キスしたことあったらダメでしょ!
てか、リヴァイさん、
恋したことないって言ってたくせに、
キスしたことはあるんですか?!」
エマはそう言いながら、
リヴァイの肩を掴んだ。
「……そんなもんしなくても、
それくらいできるだろ。」
リヴァイは興奮するエマを
なだめるような口調で言うが、
「え、それいいんですか?!恋してないのに?
いやいや!ダメですよ!
好きな人以外としたら!」
と、エマはますます声を荒げる。
リヴァイはその様子を見て片手で顔を覆い、
声を出して笑い始めた。
「……リヴァイさん?」
エマは一気に我に返ると、
リヴァイの顔を覗き込む。
「……え、それ、
初めて見るリアクションなんですけど、
爆笑ってやつですか?」
リヴァイは肩を震わせて笑っている。
「お前、本当に面白いやつだな。」
リヴァイはそう言うと、顔を上げ、
エマの頬を両手で挟んだ。