第2章 調査兵団の料理人を目指して
そして調査兵団が
壁外調査から戻ってきた日。
「リヴァイ!やっと帰れたね~!
いつもの食堂、早く行きたいんでしょ?」
多くの巨人を討伐して、
若干テンションの高ぶったハンジが、
リヴァイにそっと耳打ちする。
「……いや、もうそこには行かない。」
「えぇ?
あんなに気に入ってたのに何でよ?
次は私も連れて行ってもらおうと
思ってたのに……」
リヴァイの言葉に
ハンジは心底落胆した声を出す。
「……待っていろと言われたんだよ。」
リヴァイの頬がほんのわずか緩んだ。
「え、え、なに?それ、どういうこと?
ちょっと!
何嬉しそうな顔しちゃってんの、珍しい!」
ハンジは興奮した声を出す。
「……どうだっていいだろ。
とにかくそこに行きたいなら
エルヴィンとでも行け。」
いつもの表情に戻ったリヴァイは
冷静にハンジをなだめた。
『あいつ、試験は通ったのか……?
そもそも名前も聞いてねぇし、
どうなったか知ることもできねぇな……』
リヴァイは心の中で呟いた。