第22章 キスまでの長い道程
「プライベートの団長や兵長が、
こんな面白い人だとは思わなかったよ。」
ジャンはジュースの入ったグラスを片手に、
小声でエマに話しかける。
「団長なんて特に、
もっと冷たい人だと思ってたから意外すぎて。」
そう言うジャンにエマは、
「オンとオフの差が一番激しいのは
エルヴィンさんかも知れないね。
まぁハンジさんは、割とあのままだけど。」
そう言って、お酒の力でまた少し
テンションの上がってきたハンジを盗み見た。
5人で晩酌をし始め、しばらく経った頃。
「それにしてもリヴァイ。
調査兵団に入って、初めての彼女が
できた気持ちはどうよ?」
お酒の入ったグラス片手に、
リヴァイをつつくハンジの一言に、
エマは思わず飲んでいた酒を吹き出す。
「おい、エマさん、何してんだよ?!」
ジャンはハンカチを取り出すと、
焦ってエマの顔を乱暴に拭く。
「……うーん。
前にもここでこんなことがあったな。
リヴァイ。」
エルヴィンはそう言ってリヴァイを見ながら、
エマにタオル手渡した。