第22章 キスまでの長い道程
その時、再びドアがノックされる音が聞こえた。
リヴァイは下を向き、頭を掻く。
「……もう許さねぇ。」
リヴァイの殺気立った顔を見て
エマは不穏な予感を覚え、
「いや、もしかしたら急用かも!」
と、慌てた声を出す。
リヴァイは乱暴にドアを開けると、
「おい、お前、どれだけ邪魔したら」
と言いかけて、言葉を失う。
「……すみません、俺で。」
そう言ってドアから顔を覗かせたのは、
ジャンだった。
ジャンに呼び出され、
3人はエルヴィンの部屋に向かう。
リヴァイのペースに合わせ、
足早に歩くエマとジャン。
「何でお前が来るんだ。」
リヴァイは苛立ちを隠しきれず、ジャンに言う。
「……俺も分からないんですけど、団長に
借りを返すから、取りあえず兵長を連れてこい
って言われまして……」
と、申し訳なさそうに言う。
「まぁ、そんな苛々せず……」
エマがそう言いかけたところで、
「これのどこが苛々してんだよ?」
と声を荒げるリヴァイ。
その様子に、ジャンは思わず
突っ込みを入れそうになり、
咄嗟に手で口を塞いだ。