第21章 幸せな時間
その時、
「リヴァーイ!朝の定例会議に行くぞー!」
部屋の前で、やけにテンションの高い、
エルヴィンの声がした。
リヴァイは大きくため息を吐き、
「チッ……あのヤローこの間の仕返しか?」
と言いながらベッドから起き上がる。
「もうそんな時間ですか?!」
エマも急いで起き上がると、時計を見る。
「まだそんな時間じゃねぇよ。
お前はもう少し寝てから働け。」
リヴァイはそう言うと、団服に着替え始めた。
「……ここで着替えるんですか?」
エマは布団を頭からかぶりながら、
チラッとリヴァイを盗み見る。
「なんだ。俺の身体が見てぇのか?」
「いやいや!そんな恐れ多いことしないです!」
エマは急いで後ろを向いた。
「調査から帰ったら、いくらでも見せてやる。
それまでお前のその乏しい想像力を
働かせてろ。」
「………楽しみに待ってます。」
エマがふてくされたようにそう言うと
リヴァイはエマを後ろから強く抱きしめ、
「今の言葉、忘れんじゃねぇぞ。」
それだけ言うと、またすぐ離れ
着替えを終わらせた。
「おい。部屋の鍵は置いておく。
出るときは鍵をかけろ。」
「……リヴァイさんが部屋に
入れなくなりますよ……?」
エマはさっきのリヴァイの行動と発言に
まだ鼓動を早くしていた。
「お前に渡すのは合鍵だ。」
リヴァイはそう言うと、ドアノブをひねる。
「合鍵なんて、私が持ってていいんですか?!」
エマが思わず声を上げると
「お前は俺の“恋人”なんだろ?
それくらい持っておけ。」
そう言って、部屋から出て行った。
直後、エマは布団の中で、
嬉しくて悶絶する。