第20章 告白、守りたいもの
エマは何も言えず、
リヴァイの顔を茫然と見つめる。
「おい。もう喋っていい。」
リヴァイは沈黙に耐えきれず、
そう言って後ろを向いた。
それでもしばらく沈黙が続いた後、
「なんですか、今の……」
リヴァイはエマの呟くような声に、
後ろを振り返る。
「……お前、何泣いてんだよ。」
そこにはボロボロと
涙をこぼすエマがいた。
「……だって、さっきの今で、
おかしいじゃないですかっ」
エマの涙は止まらない。
「お前がこんなにしつこくなかったら、
俺もここまで話そうとは思わねぇよ。」
リヴァイはそう言うと、ハンカチを差し出す。
するとエマは
「ハンカチより、こっちのほうがいいです。」
と、リヴァイの胸を指さした。
リヴァイは思わず顔を綻ばすと、
エマを強く抱きしめた。
「……今、笑いましたよね?」
「………俺が笑ったら悪いのかよ。」
リヴァイのその言葉に、
エマはまた涙をこぼした。