第20章 告白、守りたいもの
「ちょ、居留守はもう無理ですよ!」
エマはドアを叩きながら言った。
『なんでエマが……』
リヴァイは動揺を隠しきれず、
ドアの前に座り込む。
「……この際だから、ここで言います。」
エマの真剣な声に、
リヴァイは自然と耳をそばだてた。
「私は、ここに来るまで、
誰かに頼ることなく生きていくのは、
意外と容易いことだと思ってました。
……と言うよりも、
誰かに頼るなんて恥ずかしいことだと
心のどこかで思ってたんです。
でも、ここで、リヴァイさんと再会して、
その考えは変わりました。」
エマの声は、廊下に響いている。
「……リヴァイさんは私に
誰だって弱い部分があることも、
暗闇から抜け出す方法も、
私に仲間がいることも、
思い切り泣ける方法も教えてくれた。
誰にも頼らないで生きていく。
って思っていた私が、
知らず知らずのうちに自分は誰かに
助けてもらって生きていたってことを
気付かせてくれた。」
「………そして、やっと私は、
リヴァイさんに恋していることに
気付きました。」
リヴァイは静かに立ち上がると、
ドアノブを握る。
「リヴァイさんが一人で戦って
一人で死にたいんなら、文句は言いません。
でも、もし。もし少しでも誰かと
一緒にいたいと思う瞬間があるなら、
その時だけでも」
エマがそう言いかけたところで
勢いよくドアが開き、
エマは部屋の中に引っ張り込まれた。