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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第19章 決断の時



エマは重い足取りで食堂に向かう。


今まで見たことのない、
リヴァイの冷たい目を思い出しては
涙が出そうになるのを堪えた。




誰もいない食堂に着いたとき、
エマは一人、厨房の隅で啜り泣く。



もう耐えられなかった。
今までの優しく、温かかったリヴァイの声は
もう聞けないのかもしれない。

今日から泣くときはこうして一人で
誰にも気付かれないように、
声を押し殺して泣く以外ないのかもしれない。



そんなことを考えると、
次から次へと涙が溢れ出た。




その時、食堂に足音が響く。



「エマさん?いるんだろ?」

ジャンの声だった。

エマは咄嗟に口を押え、声を潜める。



「……エマさん。
いるのは分かってるんだから、出てこいよ。」

ジャンの足音が近付き、
ついにエマを見つけた。


「なにこんなことでこっそり泣いてんだよ……」

ジャンはため息を吐きながらエマを見た。


エマは声を出したら
嗚咽を漏らしてしまいそうで、
手で口をふさいだままジャンを見る。

ジャンはそんなエマの隣に座ると、

「なぁ。俺ってどうしても
目撃者になっちゃうんだよな。」

と言って、天井を見上げた。



「さっき、
兵長とエマさんを見かけたんだ。」

ジャンは天井を見上げたまま話し始める。

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