第18章 悲しい出来事と自分の想い
食事が終わり、
リヴァイに食後のコーヒーを出すと
エマは皿洗いを始めた。
そして、今日のことを思い返す。
ジムの死は、自分にとって間違いなく衝撃的で、
言葉にできない悲しさで、
理解したくない事実だった。
自分がジムに
してあげられなかったことを考えると、
心臓が握りつぶされるような思いがした。
それなのに今日まで全く泣けなかったのは、
自分が泣くことで
ジムの死を認めることになるような気が
していたのかもしれない。
ジムの死を、認めたくなかったのだ。
だけど、リヴァイに抱きしめられた途端
自分の感情が制御できなくなり、
自分でも驚くほど泣いた。
リヴァイの胸の中は、
優しくて温かく、居心地が良かった。
自分の気持ちを落ち着かせるのに、
これ以上適した場所はないようにも感じた。
リヴァイといる時が一番落ち着くのに、
一番鼓動が高鳴る。
離れているときも、
心のどこかでリヴァイを求めている。
エマは、この気持ちが
どういう意味を持つのか確信した。
リヴァイに恋をしている。
今まで、気付かないふりをしていただけだ。