第18章 悲しい出来事と自分の想い
それから長い時間が流れる。
外は薄暗くなり始めていた。
「……リヴァイさん。もう泣き止みました。」
エマはそう言って鼻を啜る。
「もう、ってことはねぇだろ。」
リヴァイはそう言って月が昇る空を見上げた。
「だいぶ暗くなりましたね……」
エマも、リヴァイの腕の中から
空を見上げる。
「飯でも食いに行くか。」
リヴァイはそう言うと、エマを離した。
「リヴァイさん、良かったらうちに来ませんか?
お礼に、何か作らせてください。」
エマがそう言うと
「悪くない提案だ。」
と、リヴァイは歩き始めた。
家に着くと、エマは早速厨房に入る。
リヴァイは
「・・・ここは何も変わってねぇな。」
と言いながら、
いつも座っていた奥の席に着いた。
「リヴァイさん、
そこ、厨房から遠いんですけど。」
エマは少し声を張って話しかけるが、
「だからなんだ。」
リヴァイは気にする様子もなく、足を組んだ。
「いやいや、厨房から近い方が、
何かと都合がいいと思いませんか?」
エマがそう呼びかけると、
「仕方ねぇなぁ………」
面倒くさそうに腰を上げ、
厨房近くのカウンター席に座った。
リヴァイは椅子に深く腰掛けると、
エマが料理する様子を見る。
「……食材、そのままだったんで、
結構何でも作れそうですね。
何か食べたいものはありますか?」
「あのスープが飲みたい。」
「え、週に2度ほど
飲んでると思うんですけど。」
エマがそう言い、面喰っていると
「基地で飲むのと、
ここで飲むのとじゃ訳が違うだろ。」
リヴァイはそんなエマを見て
真顔で言った。
「分かりました。」
エマは少し笑うと、早速料理に取り掛かる。