第2章 調査兵団の料理人を目指して
調査兵団の食堂で働くための試験は
半年に一回ある。
その一回がすぐ直前に迫っていたことは、
あんな啖呵を切った後で判明した。
半年に一回の試験=
自分から辞める人も多く、
辞めさせられる人も多い、
と言うことだ。
生半可な気持ちで臨める仕事ではない。
ここでの生ぬるいお湯に
つかったような生活を捨て、
厳しい世界に飛び込むということは、
すごく勇気のいることでもあった。
ジムには絶対反対されると思っていたが
意外にもあっさり賛成された。
「しっかり兵団で働いて、いい給料もらって、
俺を楽させてくれ!」
なんともジムらしい考えだ。
だけど、そのおかげもあって、
試験までの間は勉強に専念させてもらえた。
試験は内地で行われた。
料理の実技試験は勿論のこと、
一次審査では一般教養の筆記試験まである。
これが一番不安だったのだが、
なんとか一次審査を突破し、
実技試験にこぎつけた。
実技試験では、
自分の得意な料理を披露しろ
とのことだったので
私はリヴァイさんに褒められたスープを作った。
そして、そのスープが、
私の運命を大きく変えることとなる。