第4章 合同任務/魘夢(眠柱if)/鬼殺隊夢主/日常
無事に蝶屋敷に戻った。
まずは報告として、しのぶを探す。縁側で刀の手入れをする姿を見つけしのぶに声を掛けた。
「胡蝶様、ただ今戻りました」
「。おかえりなさい」
しのぶの美しい笑みを見て心底ほっと安心した。は思わずはあと大きな溜息を落とす。
「怪我は、……なさそうですね。まぁ魘夢さんが一緒だったなら十二鬼月でも出てこない限りはなんて事はないでしょう」
「はい。……なんて言うか、始終マイペースと言うか余裕な方でした。一見はとても優しそうでしたし……」
「惑わされたら駄目ですよ。実力と第一印象くらいしか取り柄のない人ですから」
「はい。……なんだか精神的には、すごく……疲れました……」
「あの人おかしいので。任務以外では一切相手にしない事、考え込む自体時間の無駄です」
「はい。……」
しのぶの言葉は時々えらい辛辣だ。しかししのぶの言う通り、きっと受け流すくらいの心持ちでいた方がいいのだ。
頭ではわかっていても、気になってしまう事が多々あったのが事実だった。
「あの……胡蝶様……」
「何ですか?」
「私ってその、あの……単純すぎますか?」
「え?」
「階級にしては力不足なんでしょうか。戦い方も含めて色々単純過ぎるんでしょうか。あと、鬼を切る事に正当な理由を求めるのって私の方が変なんでしょうか。鬼を見つけたらすぐに切るっていう思考はおかしいのでしょうか。あと、……私って臭いですか?変な臭いしますか?」
「……………………」
しのぶの表情はにこやかなままだが。
しゅんと下がる目元であれこれ訊いてくるを見つめるしのぶの白い額に、思い切り青筋が浮く。
「あの人……たった一晩の間に随分好き放題言ってくれたようですね」
「自信喪失しました……なんだか……」
「嫌われ者の独り言だと思って言わせておけばいいんです。次回の柱合会議の時にの仇は打っておきますから」
「は、はい…………」
しのぶのおかげで一安心、とはいかないが。としては願わくば、金輪際眠柱との合同任務がない事を祈るばかりだった。
終