第6章 *鬼
:「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
猗:「もう諦めろ。確かにお前は弱くない。だが、俺には勝てない。」
:「はぁっ…私にはっ、待っててくれる人が、心配してくれている人がいるっ…はぁっ…約束を果たさねばならない者もいるっ…私は、絶対に戻るっ…スゥゥゥゥ、シィィィィィーー」
:「風の呼吸 捌ノ型 初列風切」
猗窩座:「破壊殺 滅式」
ドォォォォン!
2人が激しくぶつかり合い、凄まじい音が聞こえた。
:「はぁっ、はぁっ…」
猗窩座:「!?」
猗窩座の左肩から斜めに深い傷が付けられていた。
しかし、
:「うぅっ…あっ…」
ボスッ
は猗窩座の上に倒れ込んだ。
猗窩座は殺さないよう手加減して技を放ったため、の体を拳が貫通することはなかったものの、内臓を傷つかせ、の意識を飛ばすのには十分なものであった。
猗:「久々に面白いものを見た。」
猗窩座は担ぎ上げ、無惨の元へと連れて行った。
の鎹鴉はすぐさま猗窩座にが敗れたことを不死川や他の柱たち、そして産屋敷の元へと報告しに行った。
だが、の鎹鴉はが死をもって敗れたと思っていたため、の死を報告していた。
不:「…クソッ…クソォォォォ!…俺が、憎き鬼を滅してやる…」
悲:「なんと…あぁ、なんと悲しい事か…南無阿弥陀仏…」
胡:「そうですか…さんが…」
宇:「がやられるなんてな…」
杏:「あれだけ努力していたのにな…」
甘:「そんな…」
伊:「俺は信じない…」
時:「のことしか覚えられないのに…」
冨:「…そうか…」
柱たちに知らされた後、炭治郎たちの耳にもその知らせが入った。
炭:「そんな…さんに、稽古つけてもらうって、昨日約束したばっかりなのに…」
伊:「がやられるなんて、どれだけ強ぇんだよ…」
善:「亡骸も残していってくれないなんて、あんまりだよ…」
の死の知らせに涙を流す者は、どの柱が死んだ時よりも多かった。