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流星の絆

第2章 第二章 未完成な音色


❁❁❁ 万理side ❁❁❁


急いで帰ると灯りが消えていた。

もう帰っているはずだから、もし起きていたら謝ろう。

傷つけてしまったことを。
それから正直に事情を聴いてみよう。


緑さんは、正直に聞けば教えてくれると言っていた。

どうして俺なんだ?とも思った。

ずっと一緒にいた千の方が解ってあげられるんじゃないか?

嫉妬を抱いたこともあったが緑さんは俺なら大丈夫だと言ってくれた。

だから、音楽をするのが嫌になったんなら受け入れよう。

もうこれ以上無理をさせたくない。

でも、違うなら別の方法で助けてやりたい。


だから――!


「ただいま…」

時間が遅いので静かに扉を開けると返事はない。


「寝ているのかな?」

そろりと部屋に入るも、何かおかしいと感じる。

「詩音?」

嫌な予感がして俺は灯りを点けると、もぬけの殻だった」

「王様プリンのぬいぐるみがない…スマホも」

荷物は最低限しか置いてなかったが、違和感があった。

「まさか出て…これは」

テーブルの上に手紙が残されていた。


「手紙に楽譜とデモテープ?まさか!」

餞別代りじゃ?
あんなに嫌がっていたのに。

手紙には短い文章が書かれていた。


  ”サヨナラ”


「あの馬鹿!」

添えられているたんぽぽの花を見て急いでアパートを出て行った。




勝手に表れて勝手にいなくなるんて許さないからな。


俺にそんな資格はないのは解っている。


でも…


君はまだ音楽を諦めていない。

この楽譜と詩を見れば解る。


どれだけ愛情を込めて作られたか。


解らないわけないじゃないか!


「詩音!!」

また一人に戻るなんて許さない。


サヨナラなんて絶対してやらない!

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