第3章 那田蜘蛛山
「切腹するからなんだと言うのか、死にたいなら勝手に死に腐れよ。なんの保証にもなりはしません。」
「不死川の言う通りです!人を喰い殺せば取り返しがつかない!殺された人は戻らない!」
「確かにそうだね」
お館様は、禰豆子が人を襲わないという証明はできないが、襲うということもまた証明ができない。
禰豆子のために懸けられている3人もの命がある以上、否定するものはそれ以上のものを差し出さなければならない。と言うと、不死川と杏寿郎は言葉を詰まらせる。
「炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」
「そんなっまさか…柱ですら誰も接触したことが無いというのに!」
「どんな姿だった!?」
「戦ったの?」
口々に炭治郎に質問を投げかける柱たちだったが、お館様が口の前に指を当てると静かになる。
「鬼舞辻はね、炭治郎に向かって追手を放っているんだよ。私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない。おそらく禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きていると思うんだ。わかってくれるかな?」