第1章 呼吸
家に着くと鱗滝がご馳走を作って待っていた。
「わわわー!すっごく豪華!嬉しい!いただきまーす!はぁ~おいしい~!」
星波は七日間の出来事を話しながら箸を進める。
「「鬼を20体以上斬っただと?!」」
「うん!そしたらね、選別を受けたほとんどの人が生き残ったみたいでね、中には鬼に遭遇すらしない人もいたんだって!感謝されちゃったよ~」
得意げに星波は話しているが、星波かわいさに力をつけすぎたと反省する鱗滝と、何か言いたげに口元を押える義勇。
後々、この年の隊士の質が悪いと言われるのは間違いないだろう。
そして数週間経った待ちに待ったある日、ひょっとこのお面を付けた男の人が日輪刀を持って狭霧山を訪ねてきた。
「星波さんの日輪刀を担当させていただきました鉄穴森と申します。さぁ何色に変わりますかね。楽しみですね。」
星波は緊張しながら鱗滝と義勇を見ると、2人がこくんと頷いたので意を決して日輪刀を握りしめた。