第3章 那田蜘蛛山
身体だけになった鬼はよろよろと、倒れている隊士と女の子?に近づいていく。
するとその場に倒れた鬼の背中に隊士が手を当てる。
「人を喰った鬼に情けをかけるな。子どもの姿をしていても関係ない。何十年と生きている醜い化け物だ」
義勇は、すでに消滅した鬼の着ていた着物を踏む。
「殺された人達の無念を晴らすため、これ以上被害を出さないため、もちろん俺は容赦なく鬼の首に刃を振るいます。だけど鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない!鬼は人間だったんだから。俺と同じ…人間だったんだから。足を退けてください!醜い化け物なんかじゃない。鬼は虚しい生き物だ。悲しい生き物だ。…くっ…」
義勇は何かを考えているようだったが、突然何かを察知し日輪刀を手に攻撃を防ぐ。