第2章 任務
「星波!頸を斬らないようにと言われていたではないか!」
「でもっ…杏寿郎さんっっ私のせいでたくさん傷…ごめんなさい!」
ドクン
「あぁっ…」
苦しそうに蹲る星波に近づく杏寿郎。
「なんだ!?苦しいのか!?病気か!?血気術か!?不死川が言っていたのはこれのことだったのか!?」
あたあたと慌てる杏寿郎に説明をしようと口を開く星波。
「ち、ちがっ…違うんですっっ…はぁはぁ…んぁっ…これはっ…んふぅ…ふっ…」
星波の苦しむ様子を見て杏寿郎は、なぜか無性に抱きしめたくなったがぐっと堪える。
(こんな時にやらしい目で見てしまうなど、男として不甲斐なし!)
「はぁあっ…前にっ…鬼に呪詛をかけられ…てっ、鬼の頸を斬ると…はぁ…催淫作用のようなっ、しょ、症状が…んはぁ…出てしま…って…」
「よもや!」
先程の自分が感じてしまったものは間違いではなかったと思い、安心するようなしないような複雑な気持ちの杏寿郎。