第2章 任務
「ほう。避けるとな。ではこれならどうだろう。」
鬼は星波に刃物を向ける。
「お前がひとつ避ける度にこの娘を刻んでやろう」
チリン
星波を人質に取られた杏寿郎は避けることをやめると、ザシュッと頬や身体に傷ができていく。
為す術もなくやられ続ける杏寿郎。
「無抵抗の人間を切り刻むのは楽しいのぉ」
「んんん…はっ!え、何?離して!」
星波が目を覚ました。
「娘、目を覚ましたか。見てろ。あの男はお前を人質に取られ手も足も出ない。先にあいつを刻んでお前もすぐに喰ってやるからな」
「やめてっ!杏寿郎さん!私のことは気にせず攻撃してください!」
涙を流しながら訴えるが、
チリン
鬼は容赦なく無抵抗の杏寿郎を切りつける。
「やめてやめて!杏寿郎さん!私を信じてください!攻撃してっっ!」
(そうだ星波は強い。信じよう!)
「炎の呼吸壱ノ型 不知火!」
攻撃してくると思っておらず、油断していた鬼が驚き気を抜いたその時、
「星の呼吸参ノ型 天の川!」
星波が流れるような動きで鬼の手から抜け出ると、そのまま鬼の頸を落とした。