第2章 任務
「何があったのか話せそうかァ?」
「いえ、もう大丈夫ですのでお気になさらずお帰りください…助けていただいてありがとうございました。」
他人行儀に頭を下げる星波に顔を顰める不死川。
「大丈夫じゃねェだろォ。震えてるじゃねェか」
不死川に指摘され初めて自分が震えていることに気がついた星波は、震えを抑えるように手に力を入れる。
それでも止まらない身体の震えに涙が溢れる。
不死川は星波を思わず抱きしめ、
「守ってやるって言っただろォ」
優しく言葉を落とす。
「わた…しは…守ってもらう資格などありませんっ…不死川さんを傷つけてしまったし…合わせる顔もありませんっ…」
不死川がはぁーっとため息をついたので、星波はさらにビクンと肩を震わせ俯く。
「あの日俺が先に帰ったからかァ。違う。あれは星波を嫌いになって置いていった訳じゃねェ。鴉に呼ばれてしょうがなく先に帰ったんだァ。何も言わないで帰ったのは、その…俺も、合わす顔がねェと思って…傷つけちまったなァ。悪かった。」
星波がパッと顔を上げると、あんま見んなァと顔を赤くしてそっぽを向く不死川。
「俺は何があってもお前を嫌いになったりはしない。例え俺の女にならなかったとしても、だ。」
不死川の優しさに、嬉しさと申し訳ない気持ちになる星波だったが、ポツリポツリと話し始めた。