第2章 任務
諦めぎゅっと目を瞑る星波だったが、しばらく経っても何もしてこない隊士を不思議に思い恐る恐る目を開けると…
「不死川さ…ん」
青筋を立て、ものすごい形相で隊士を締め上げる不死川の姿があった。
「おいてめェいつまで星波に触ってんだ?汚ェ手をどけろォ」
星波を拘束していた隊士に凄むと、恐怖で動けなくなっていた隊士が慌てて星波を解放する。
へなへなと膝から崩れ落ちそうになる星波を不死川が支え抱きしめると、自身の羽織りを星波に巻き付ける。
「座って待ってろォ」
星波にそう言うと、不死川は見えない速度で隊士に近づいて殴り飛ばし、隊士の顔がみるみるうちに変形していく。
「怪我してる女相手に男2人で寄って集って…鬼より最低だなァ?殺してやりたいところだが隊律違反だしよォ。でもお前らが先に隊律違反をしたんだから、このくらいはいいよなァ?」
不死川が隊士の腹を殴りあげると、ゴフっという唸り声と共にメキィっと怪しい音が鳴り響く。