第2章 任務
星波は隠しておいた日輪刀を取り出し戦闘態勢になる。
合図を待っていた隊士たちも出てきて、日輪刀を持ち構える。
しかし星波たちに向かってきたのは鬼ではなく人間の男たちだった。
「あれは鬼です!どうして鬼の肩を持つの!?」
「この方は確かに鬼だが、貧しく路頭に迷っていた俺たちに住むところを与えてくれた!女を連れてくれば褒美もくれる!」
「それは利用するためでしょう!?連れてこられた女の人達はこの鬼に喰われているのよ!?」
「それがどうした!生きていくためには多少の犠牲も必要だろう!」
「犠牲にしてもいい命なんてない!もちろんあなたたちの命もです!私は人間とは戦いたくない!下がってください!」
しかし男たちは聞く耳を持たず、うおおおぉぉと向かってきた。
攫い役の2人と納屋にいた5人。
こちらは戊の星波と辛の隊士2人…
隊士を庇いながら人間を避けて戦うには分が悪い。
「人間のお相手はあなた達にお任せします!なるべく怪我をさせずに時間を稼いでください!…私がすぐに鬼を…斬る!」
そう言うと駆け出し鬼へと向かっていく。