第2章 任務
階級が上がるにつれて下級隊士を育てる目的として、手出しはせずに指揮を取ることが多くなっていた。
今回は女性ばかりをねらう鬼という情報なので、数名の男の隊士と組んで囮になる予定だ。
「では、作戦決行です!合図を待ってください!」
「「はい」」
村に鬼の気配はなく、捜索は難航するかと思っていたが、予想通り星波に声をかけて来る者がいた。
しかし鬼の気配は染み付いているが人間だ。
(なるほど、人攫い役に人間を使えば気配を探られにくくなる…用心深いのね。)
男たちは星波に短刀を突きつけ、大人しく付いてこいと言う。
星波は素直に従い男たちについて行く。
しばらく歩くと村外れに小さな納屋が見えてきた。
「連れてきました!」
男の1人がそう言うと納屋の戸が開き、ゆらりと姿を現した。
(こいつが鬼だ!)
「今日もうまそうな女を連れてきたな。若くて綺麗で舌触りが良さそうだ…約束通り褒美をやろう。」