第18章 定期健診
「風柱様!よろしくお願い致しますっ」
進が大きな声で挨拶をすると、僅かに聞こえた声にピクっと実弥が反応をする。
進がそっと促すと実弥はマットの上に移動した。
「はじめます!」
千鶴の指示で、進と星波が協力して体を押していく。
(実弥さんの逞しい背中…抱きつきたいっ!…ダメよ星波。我慢我慢)
パシッ
突然実弥が星波の腕を掴む。
「おめェ…」
「風柱様っ!?」
進が慌てて仲裁に入ると、実弥はパッと手を離す。
「リアが何か失礼をなさいましたでしょうか!?申し訳ございませんっ。新人なもので…」
(リアだと…?別人かァ?)
「いや、悪ィ。何でもねェから続けてくれ」
(びっっくりした!バレたかと思ったっ!)
全集中を解いている実弥は、耳栓と目隠しをしているため気配を探りづらいようだ。
「続けさせていただきます」
全ての工程が終わり挨拶をすると静かに部屋を出ていく3人。