第16章 道
実弥と星波が母屋に戻ると、千寿郎と風弥も起きていた。
星波が紅茶とパウンドケーキの準備をして杏寿郎を呼びに行き、誕生日を祝った。
「杏寿郎さん、遅くなってしまったけどこれプレゼントです!」
「よもや!もしかして今日はわざわざこれを買いに行ってくれていたのか!?」
「買ったのではなくて、あ、いや材料は買ったんですけど…私が作りました!」
「作った??…開けていいか?」
「はい!開けてみてくださいっ」
杏寿郎は包みの中から組紐を取り出す。
「すごいな!これを作ったのか!?綺麗だ!ありがとう!」
早速杏寿郎が髪を結い直す。
「どうだ?」
「わぁ似合いますっ!あと、こっちは千寿郎くん!」
「え、俺ですか?」
「うん!千寿郎くんも開けて開けてっ」
「わぁ!兄上とお揃いですねっありがとうございますっ」
星波は満足そうに微笑む。
((俺も髪伸ばそうかな…))
槇寿郎と実弥の少し寂しそうな視線に気づいた星波。