第1章 呼吸
「義勇!」
慌てて駆け寄る星波は、今にもこぼれそうな涙を堪え怪我をした義勇にしがみつく。
「ごめん…」
「うぅ…う、うわーーーん!!義勇、義勇、義勇…」
激しく泣き始める星波を、義勇は何度も謝りながらぎゅっと抱きしめた。
「義勇、私も鬼殺隊になる!」
「だめだ!」
「だって悔しいよ!私は鬼が憎い!私たちから錆兎を奪った鬼を私は許さない!」
鬼殺隊になると言い始めた星波だったが、鱗滝と義勇は受け入れず反対をし続けた。
「お願いします!私頑張るから!厳しい訓練も、弱音を吐かないから!」
首を振り続けた鱗滝と義勇だったが、稽古をつけてくれるまでごはんを食べない!と言う星波の顔色が3日目に真っ青になった頃、
「心臓に悪い…お願いだから食べてくれ。お前の勝ちだ、稽古は明日から始める。」
星波の粘り勝ちという形で承諾してもらえた。
「だが、最終選別に行くのは星波が15歳になってからだ。これは絶対に譲らない。これから5年間たっぷり鍛え、星波が絶対に死なない実力を付けさせる。」