第15章 誕生日
部屋に入った時に床にまとめてあった荷物に実弥の足が当たってしまい、ドサドサーっと荷物が崩れた。
「あ、やべっ……ん?」
実弥が不思議そうな声を出したので星波もそちらに目をやると、宇随にもらった誕生日プレゼントが包みから出てしまっていた。
「宇随のプレゼントか。確かハンカチって…?」
どう見てもハンカチよりは大きさのある布を疑問に思い、星波を下ろし拾い上げてみる。
「実弥さんっダメですっ渡してくださいっっ」
星波は、誕生日当日に慌てて仕舞った一瞬しか見ていないが、その中身を知っている。
なぜなら宇随の家に言った時に偶然見つけてしまい、事細かに説明を受けていたからだ。
その時に、星波にも買ってやろうかと言われ丁寧にお断りしていたはずだった。
はずだったのに…。