第13章 新生活
しかし星波はふと、昼間のことを思い出しもやもやとした違和感を覚える。
(私たち…一緒に生活をしていく約束はしたけど、夫婦になる約束はしていない。実弥さんはどう考えているのかな…?)
すっかり簪の意味を教えるのを忘れてしまっていた男たち。
(ううん。考えても仕方のないことは考えるのはよそう!夫婦でなくても、一緒に暮らしていくことに意味があるの。そうよ、例え夫婦という形でなくても、実弥さんと一緒に生きて一緒に風弥を育てていける。それだけで幸せじゃない。)
簪の意味を知らない星波は、感じてしまった不安に蓋をして眠りについた。