第1章 呼吸
療養期間が終わり固定がはずれると、軽い運動から稽古を再開した。
そんなある日槇寿郎が古い書を持って庭へとやってきた。
「時間がかかってしまいすまない。ようやく星の呼吸についての書を見つけた。」
受け取ると食い入るように読み始める星波。
しばらくしてすっと立ち上がったと思うと、
「星の呼吸 壱ノ型 流れ星!」
星波が技を出すと、刃が夜空を纏いきらびやかな星が降り注いだ。
「綺麗だ…。」
杏寿郎が思わず呟くと、満面の笑みの星波が振り向いた。
「み、見ましたか!?」
初見で技を出すとはさすがだな、と頭に手を乗せほめる杏寿郎。
「残りの期間に他の型も極め、後日お館様に報告に伺うとしよう。」
それから必死の訓練が始まった。