第1章 呼吸
夕餉ができていますよという千寿郎の声掛けで、夕餉を食べながら話を聞くことになった。
「君の刀の色の呼吸だが、多分星の呼吸だろう。始まりの呼吸。それと並ぶものが月と星だそうだ。炎、水、風、雷、岩はさらにその下の派生だ。水の呼吸の適性ではなくても威力があったのは、始まりの呼吸に並ぶものだったからだろう。」
始まりの呼吸と言う言葉を初めて耳にした杏寿郎は深く話を聞きたかったが、久しぶりの家族揃っての食事。
父の機嫌を損ねまいとそのまま黙って耳を傾けた。
食事を終えると槇寿郎は、星の呼吸についての書が他にないか探してみると言い部屋に戻って行った。
いくつか疑問は残ったが星波が星の呼吸かもしれないということがわかり大喜びの2人。
「父上が書を探してくれている間に、星波はしっかり怪我を治そう!さぁ今日はもう遅い。ゆっくり休もう!」
星波は腕を濡らさないように湯浴みを済ませ布団に入った。