第1章 呼吸
診察を終え煉獄家に帰ると、血相を変えた槇寿郎が飛び出してきた。
「星波さんっ!怪我をしたのか!?」
「私の不注意で骨折をしてしまいました。」
「父上申し訳ありません!俺の責任です!しばらく煉獄家で面倒を見ようと思います!」
「骨だとっ?嫁入り前の娘になんてことを…!」
槇寿郎が杏寿郎を殴る。
「よもや、父上が星波のことでこんなにも熱くなられるなんて!嬉しいことです!」
殴られて喜ぶ杏寿郎に軽く引きつつ、はっと我に返った槇寿郎はバツが悪そうに言葉を出す。
「星波さんの呼吸についてだが気になる書を見つけて調べていた。わかったことがあるのでこちらに来て話そう。」
そう言うとそそくさと家に入ってしまったので、杏寿郎と星波は顔を見合わせて喜びながら後を追った。