第11章 明けた朝
「俺は守れなかった。たった一人の弟ですら。弟のことすら守れなかった俺がお前と子どもを守れる自信なんてねェんだ…それに俺は…二十五まで生きられない。身体がいつまで動くのかもわからねェ。」
初めて聞く不死川の弱音に静かに耳を傾ける星波。
「星波と風弥に俺が弱っていく姿、死ぬ姿なんて見せたくねェんだ。」
星波はハッとして不死川を見る。
堪えてた涙が次々と溢れていく。
「それでもっ…!!私はもう一秒でも実弥さんと離れたくないんです。私が一緒にいたいのは、実弥さんだけなんですっ…!実弥さんが好きなんですっっ!……実弥さんが辛い時は支えさせてください。実弥さんが私を守ってくれたように、私も実弥さんを守りたいですっっ!……いつまでも、最後、まで…一緒にっっ」
懸命に気持ちを伝える星波に愛しさが込み上げる。