第11章 明けた朝
「随分早く効いてきちまったなぁ!」
ケロッとした顔でニヤニヤと星波を見る宇隨。
なんのことだかわからない星波は苦しみながら宇隨を見る。
「っっ。おィ宇隨…お前何した…?」
突然不死川まで苦しみ出して宇隨を睨みつける。
「ははっ怖い顔すんなって!俺からのささやかな贈り物だよ!」
身体が痺れて動けない2人の横で、せっせと机を片付けたり布団を敷いたりしている宇隨。
「贈り物ってどういうことだァ…っ!」
「お前らが口にした甘味と茶には薬を仕込ませてもらった。今は身体が痺れてるだろうが、もうしばらくすると痺れは治まる。仕込んだのは2種類…痺れ薬と媚薬だ。痺れが治まる頃にだんだん効いて来るぞ。」
「ってっめェ…!」
「呪詛とは違って命に別状はねぇが、宇隨家秘伝の媚薬だ。さっさと対処しねぇとかなり辛くなるぜ?話し合いがうまくいかない男女はなぁ…身体で話し合うのが一番なんだよ!」
楽しめ~!と、手をヒラヒラとさせて部屋を出ていく宇隨。