第1章 呼吸
ふたりきりになった病室で杏寿郎は、嫁入り前の娘に怪我をさせてしまうとは…責任を取らねば!とそんなことを考えながら星波が目を覚ますのを待った。
「う…ん…ここは?」
「目を覚ましたか星波!俺の木刀が当たり腕の骨が折れてしまったそうだ!本当に申し訳ないことをした!そこでだ。煉獄家に嫁に来てくれないだろうか!」
突然の申し出に理解が追いつかない星波がぽかんとしていると、
「嫁入り前の娘に怪我をさせてしまった!その責任を取るという意味でもあるが、俺は星波が好きだ!この数日間共に稽古をしてすぐに君の魅力に惹かれた!それに君は苗字もないし何かと不便もあるだろう!嫁に来れば煉獄の性を名乗れる。考えてはくれないだろうか?」
染まる頬を押さえ一呼吸する星波。