第11章 明けた朝
その日の夜。
「ふぎゃあ、ふぎゃあぁ…」
生後30日を過ぎたばかりの風弥は、夜中に何度も目が覚めるため、星波は眠い目をこすりながら乳をあげる。
不死川はもちろん気づいてはいたが、勝手にしろと言ってしまった手前気づかないふりをし続けた。
「ふぎゃあぁあ!んぎゃあぁ!ぎゃあああぁ!」
「あれ、いつもならすぐに寝るのに、場所も違うし今日は機嫌が悪いのかな…よしよし…」
しばらく揺らしてみるが泣き止まない風弥。
「お父様が起きてしまうから散歩に行きましょうね…」
不死川はそっと星波が離れていく気配を感じる。
夜が開ける頃、星波が部屋に戻ってきたので慌てて寝たフリをした。