第10章 無限城
キューッ
「っ!?」
「どうした…?」
星波が飛び起きたので不思議そうな顔をする杏寿郎。
「い、いえ…。」
再び目を閉じる星波。
ギューーーッ
(こ、これは。)
「杏寿郎さん…」
「どうした?」
「あの、こんな時に本当に申し訳ないのですが…産まれる…かも、です…」
「よもや!」
千寿郎!千寿郎!と杏寿郎が慌てて千寿郎を呼ぶ。
「兄上!落ち着いてください!子はすぐには産まれません!産婆さんには、陣痛の間隔が10分間隔になってから呼びに来るように言われています!」
「そうか!さすが千寿郎だ!はははっ」
「星波さん、お産は体力勝負だと聞いておりますので、寝られるうちに寝た方が良いです!簡単に食べられるものを用意しておくので、次に目が覚めた時に召し上がってください!」
動揺する杏寿郎に比べ落ち着いている千寿郎に、くすくすと笑いながら安心する星波。
「ありがとう、千寿郎くん…」
星波は言われた通り目を瞑り眠る。