第1章 呼吸
「煉獄のところでも頑張れよォ。」
「はい!ひと月ありがとうございました!」
深々と頭を下げ屋敷を出ると炎柱の屋敷へと向かった。
「よく来たな!待っていたぞ!」
ものすごく大きい声が聞こえた先を見ると、炎柱の煉獄杏寿郎が出迎えてくれた。
「よろしくお願い致します!」
負けじと大きな声で挨拶をすると門の方から声がした。
「何だ騒々しい。誰だ。」
声の先を見上げると煉獄とよく似た男性が、こちらを睨みつけて立っている。
「星波と申します!日輪刀の色が濃藍で呼吸の適性がわからないため、ひと月ほどこちらでお世話になることになりました!お忙しいところ恐れ入りますが、ご迷惑をおかけしないよう頑張りますのでよろしくお願い致します!」
「………。」
星波は返答がないので恐る恐る目を向けると、
「濃藍…お前も杏寿郎も大したものにはなれん。くだらん。」
吐き捨てるように言うと奥に入って行ってしまった。