第9章 柱稽古
杏寿郎がそっと口を開く。
「子…か?」
「っっ!……はい。」
驚きはしたが静かに返事をする星波に、全てを理解する杏寿郎。
「不死川の子なのだな。」
「…はい。」
星波の瞳が揺れる。
「安心しろ!ここは星波の実家のようなものだ!父上も千寿郎も力になってくれるだろう!もちろん俺もだ!元気な子を産め!」
大粒の涙を溜めていた星波が、槇寿郎さんと同じことを言ってくれるんですねと微笑むと、次々と涙が流れる。
「こらこら、せっかく飲み込めた大事な水分が出てしまうぞ!」
真剣に杏寿郎が言うのでおかしくなり笑う星波。