第9章 柱稽古
「ただいま戻りました!」
買ってきたものを槇寿郎に渡すと、ラムネのビー玉をグッと押し開けてコップに移す。
「これを星波さんに。」
杏寿郎はコップを受け取ると、急いで星波の元へと向かった。
「星波、ラムネだ。飲めるか?」
杏寿郎から受け取り一口飲むと、シュワシュワっと心地よい炭酸の刺激が口に広がり、吐き出したい衝動が起こらなかったことに驚く星波。
「おいしい…!」
そこへ、槇寿郎が皿に出したアイスクリームとすりおろしたリンゴを持ってきた。
恐る恐る口にした星波は驚く。
「おいしいっっ!」
「しばらくは食べられるものだけ食べるといい。冷たいものや酸味や炭酸などは口に入れやすいだろう。後で医者を呼んでやる。」
飴を枕元に置き、槇寿郎は部屋を出ていった。