第9章 柱稽古
煉獄家に行くと、先の柱4人のところをなかなか通過してこられないのかまだ数人しかいなかった。
杏寿郎と槇寿郎の稽古は一撃も受けずに、杏寿郎→槇寿郎に順に一撃ずつ入れるという勝ち上がり式の単純なものだった。
しかし杏寿郎になんとか一撃を入れられても、休む間もなく疲労の溜まった身体で槇寿郎に立ち向かうと、たちまち打たれて振り出しに戻る…
「1人倒したからと気を抜いていては、長期戦で生き残れまい!全力で向かえっ!」
引退したとはいえ、怪我の後遺症を忘れるほど動きにキレのある杏寿郎。
「座っていないで早く立て!才能がない者は努力するしかないんだ!戦いの途中で座るなどしたらあっという間に命はなくなるぞ!」
こちらも引退したとはいえまだまだ若くキレのある槇寿郎が、バッシバシと隊士を打ち倒していく。
槇寿郎は零れていった命を想い指導に熱が入り、杏寿郎よりも厳しかった。
「父上が楽しそうで何よりだ!」
そんな様子を嬉しそうに見る杏寿郎、千寿郎、星波。
誰も槇寿郎の勢いを止める者はいない。
元炎柱2人を相手にするなんて、稽古とはいえ隊士たちに勝ち目はあるのだろうか…