第1章 呼吸
不死川に一撃が入るようになってきた頃、風の呼吸の訓練も始めたがやはり風の呼吸でもない。
最初怯えていたとは思えないほどここ数日間でかなりの信頼関係を築いた不死川と星波は、風の呼吸だったらいいな…と思っていたので残念そうに眉を下げた。
「まァそう落ち込むなァ」
休憩にしようぜェと不死川がおはぎの乗った皿を星波に渡す。
星波は不死川と縁側に座って甘味を食べる時間が好きだ。
その日の稽古の反省だったり、好きな食べ物や小さい頃の義勇の話で盛り上がった。
義勇の話をすると少し嫌そうな顔をする不死川だったが、楽しそうに話す星波の顔を見ていると自然と表情が柔らかくなり、ぽんっと星波の頭を撫でるのだった。