第6章 日輪刀
翌日、蝶屋敷から生家に戻る杏寿郎の付き添いを頼まれた星波は蝶屋敷に向かう。
「星波!すまないな!」
「いえ!槇寿郎さんや千寿郎くんにも会いたかったし、杏寿郎さんともゆっくり話したかったので!」
(ん゛んーっ!どうしてこうも星波はかわいいのかっ!)
「そうか!父上も千寿郎も喜ぶだろう!途中で土産を買って帰ろう!」
甘味屋に寄りお団子を食べたり、食事処で天丼を食べたり本屋に寄ったりと、他愛のない話をしながら時間の許す限り散策を楽しみ煉獄家の前まで帰ってくると、一足先に鴉が伝えていた杏寿郎と星波の帰宅を、槇寿郎と千寿郎が門の前で待っていた。
負傷後初の帰宅のためか、杏寿郎の顔は少し緊張した面持ちだった。
「父上…申し訳」
「よく戻った。」
槇寿郎が杏寿郎の言葉を遮り、気恥しいのかぶっきらぼうに言うとプイと門に入っていってしまった。
「父上は手紙を受け取ってからずっとソワソワしていて、鴉が見えた途端飛び出して兄上と星波さんのことを待っていらしたんですよ。」
にこにこと言う千寿郎に優しく微笑むと、ギュッと抱きしめる杏寿郎。
「行こう。」
杏寿郎に促され3人で家の中へと進む。