第5章 遊郭
宇髄が部屋を出ていくと突然部屋が暗闇に包まれる。
「何だあの男は…」
「厳勝様…。さっきのお皿はもしかして。」
「そうだ。私の星波にけしからん…」
(私のって…)
「今日はどうされたのですか?」
「お前はどうしてこうも危険なところに来るのだ。ここには上弦の陸がいる。上弦の陸は厄介だ…妓夫太郎と堕姫、2人同時に頸を斬らないと死なぬ…」
「そんなこと教えていいんですか?」
半ば呆れ気味に聞く星波。
「呪詛を解けるかもしれないという者を見つけた…早く連れて行こうと思っていたのに来てみたらこれだ。鬼狩り共め…早くあの鬼を倒せ…」
「えぇえ。上弦の壱が言う言葉じゃないですよそれ」
「鬼なんぞより星波の方が大事だ…」
ドォンッッバリバリバリッゴゴゴッッバキッッ
外から激しい音が聞こえる。
「始まったな…」
「私も行かないと!」
「駄目だ。」
「そんなぁ。」
「とはいえ私もここに長くはいられない。もう行かねば…くれぐれも怪我はするな…」
部屋が元に戻ると着飾られた着物や飾りを取り、隠しておいた隊服に着替え支度を整える。
「今行きますっ!みんなどうか無事でっ!」