第1章 呼吸
しばらくするとあまね様が、みなさんお着きになられました、とお館様に伝えに来た。
「さぁ行こうか」
お館様に言われて先程の畳の間に進んでいく。
「よく来てくれたね。急に呼んでしまってすまなかった。みんな元気そうでよかったよ。」
「お館様におかれましても御創建で何よりです。ますますの御多幸を切にお祈り申し上げます。」
「ありがとう天元。今日はみんなに相談があって集まってもらったんだ。この子は星波。先日の選別で20体以上もの鬼を斬った子だよ。この子の日輪刀の色がね、濃藍だったんだ。ここにいる元水柱の鱗滝さんの元で育った子だから水の呼吸かと思っていたんだけど、どうやら適正がわからず悩んでいるみたいでね…みんなの力を貸してもらいたいと思っているんだよ。どうかな?行冥、天元、カナエ、義勇、実弥、小芭内、杏寿郎。」
「20体!やるな!でも濃藍か…地味だな!しかし金箔のような輝きは派手だ!気に入った!」
「かわいらしい女の子ね!お友達になりたいわ!」
「俺の継子になるといい!」
「…。」
「濃藍は聞いたことがない…ここにいる柱が順番に直々に稽古をつけるいうのはどうだろうか。」
悲鳴嶼の発言に全員の視線が集中する。