第1章 呼吸
「こちらです。」
鱗滝と星波は隠に案内され、お館様の屋敷に到着すると中庭へと進んでいく。
「よく来たね。」
声が聞こえた方を見てみると、畳の上で座っている男の人がいた。
「は、はじめまして!星波と申します!この度はっ、私の日輪刀のことで御相談に乗っていただだ…あっ…」
(噛んでしまったっ恥ずかしすぎる…)
「そんなに畏まらなくて良いよ。こちらにおいで。星波の日輪刀の色は濃藍だったかな?見せてごらん。」
「はい」
顔の火照りを感じながら、刀を抜いてみせる。
「綺麗だ、星波の瞳と同じ色だね。でもごめんね。私も初めて見る色なんだ。そうだ…」
お館様はにっこり笑う。
「実は鱗滝さんの手紙を読んでからね、何かの力になってくれるだろうからと思って柱のみんなにも声を掛けていたんだよ。もう少ししたらみんなが来ると思うのだけど、良かったらそれまで食事を一緒にどうかな?」
お言葉に甘えて一緒に昼餉をいただく。
その間お館様と鱗滝は星波のその後について話しているようだった。