第1章 漠然とした不安【リード】
けど、リードくんはサバトに行った。
例えクラスメイトの気分転換のためだとしても、
私にとっては、すごく、悲しかった
「○○ちゃん、こっちみて、」
優しく声をかけられ、両頬を優しく包まれる
床にしゃがみこんだ私の目線に合わせてリードくんもしゃがむ
「ほんとごめ…『ごめんなさい…』……え?」
『わかってる、リードくん、クラスメイトのためのサバトなんでしょ?気分転換の為に、幹事までして、開いたんでしょ…?ごめんなさい、リードくんの優しさに、不安になっちゃって、そんな所も大好きなのに…』
ポロポロと床に落ちていく涙をリードくんは指で拭って
私をぎゅっと抱きしめた。
「よかった…嫌われたかと思ったぁ~……」
首に回された腕は震えている
私が服をきゅっと掴むと、ばっと離れる。
驚いてリードくんの顔を見ると真っ赤に染っている
『え、ど、どうしたの…?』
「ご、ごめん!急に……」
顔を赤くして目を見開くリードくんを見て少し考える。
…初めて抱きしめられたかもしれない。
付き合っているといえど、彼は中々手を出して来ない。
手を繋ぐしか、したこと無かったから、ちょっと、嬉しい
膝を着いて自分の手のひらを凝視している。
そんな可愛い反応をするリードくんが好き。
私は体を前に乗り出して彼に近付く
そして、ゆっくりと顔を近づけて、そのまま唇を重ねた
だいたい3秒くらい。
唇を離して見てみるとリードくんは固まっている
『…こ、これで…今回のサバトの件は許します……つ、次からは…ちゃんと、事前に言ってくれると、嬉しいです……』
顔が熱い、自分でも少し大胆なことしたな、という自覚がある。目を合わせられない。
『じ、じゃ、私…授業行かなきゃ………』
私はその場からそそくさと逃げるように走り去った。
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「ん…?リードじゃん。どしたの?」
「じゃ、ジャジー…ぼ、僕……初めて、奪われちゃった…」
「なにいってんの?」
リードくんとネガティブ彼女
END