第6章 アニマートに色づく日常【鉄骨娘/始まり】
伏黒たちが原宿にある中野駅に着いたのは結構ギリギリで、待ち合わせの三分前だった。
しかし、やはりそこに五条の姿はない。
まぁ、分かっていたことではあるが。
周囲は人通りも自動車の通りも多く、ガヤガヤとやかましいことこの上ない。友人との待ち合わせには構わないが、授業の一環で待ち合わせる場所ではないだろう。
三人で他愛のない話をして待つこと十分弱。
ようやく、五条が大きく手を振って、「おまたせー!」と、駅から出てきた。そして、「お」と虎杖を見て口角を上げる。
「制服、間に合ったんだね」
「おぅ、ピッタシ!」
自分の着ている制服に触れながら、虎杖も嬉しそうにする。
「でも、伏黒のと微妙にデザインが違ぇんだよな」
そう。伏黒の制服がカッチリとした学ランなのに対し、虎杖の制服には赤いフードがついた、パーカーの要素が取り入れられていた。
「制服は、希望があれば色々いじってもらえるんだ」
「え? 俺、そんな希望 出してねぇけど」
どうせ、五条が勝手にデザインの希望を出したのだろう。実際、詞織の制服も五条のデザインだ。
スタンダードな女子生徒用の制服。
そのスカートの両側の一部に、軽い素材の生地を使ったプリーツが入っている。
呪霊との戦闘中、ひらりと風に舞ってめくれるので、目の毒なのだ。